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【検証レポート】CatBoostはクロスバリデーションなしでも精度評価できる? #AI #FX

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はじめに

機械学習モデルの精度を検証する際、クロスバリデーション(以下CV)はほぼ常識とされています。特に時系列や不均衡データにおいては、ウォークフォワードCVやTimeSeriesSplitなどが活用されます。

ですが、最近私がFX自動売買AIの構築で使っているCatBoostでは、CVをしなくてもほとんど同じ評価結果が出てしまうことに気付きました。

これは「たまたま」なのでしょうか?
それとも、CatBoostにはCVを必要としない合理的な仕組みがあるのでしょうか?

WAN
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CVはとても時間がかかるからなるべくやりたくないのよねぇ


CatBoostとは?

CatBoostはロシアの検索エンジン大手Yandex社が開発した、決定木ベースの勾配ブースティングライブラリです。

特徴として以下が挙げられます。

  • カテゴリ変数をそのまま扱える(エンコーディング不要)
  • 順序付きブースティング(Ordered Boosting)で情報リークを防止
  • 高速な学習と高精度な予測性能
  • 少ないパラメータ調整で高い汎化性能

実際に試したこと:CVあり vs CVなし

私は以下の2つの方法でモデルを比較しました。

✅ パターン1:クロスバリデーションあり

  • StratifiedKFold(5分割)
  • 各分割で学習し、スコアを平均化
  • 評価指標:F1・ROC・精度

✅ パターン2:クロスバリデーションなし

  • 訓練・検証・テストに分割(7:1.5:1.5)
  • eval_set を指定して early_stopping でモデル選択
  • 評価指標は同様

結果:評価値はほぼ同じ

複数のデータセット、複数のパラメータで比較した結果、CVあり/なしでF1やROC-AUCの値がほぼ変わらないケースが多く見られました。

もちろん微差はあるのですが、実運用を左右するほどの差は確認できませんでした。


なぜCVなしでも評価できるのか?

CatBoostには以下のような過学習防止機構が内蔵されています:

  • Ordered Boosting
     → 各サンプルの予測には、そのサンプル以前の情報しか使わない
  • 順序付きターゲット統計量
     → カテゴリ変数の平均などを未来情報なしで推定
  • UseBestModel(デフォルトでTrue)
     → eval_set により自動的に汎化性能の高いイテレーション数を選択

これらがCVの役割を部分的に代替しているのです。


それでもCVは不要と断言できるか?

私の結論としては:

✅ 通常のモデルよりCVに依存しないが、完全に不要とは言えない

特に以下のようなケースではCVも重要になります:

  • 非常に小規模なデータ
  • ランダムノイズの影響が大きいデータ
  • モデルのチューニング前段階での過学習チェック

結論

CatBoostは、CVなしでも信頼できる評価が可能な数少ないモデルです。
これは、順序付き学習や情報リーク防止の工夫が内部でなされているからです。

ただし、それでもCVを完全に省略する判断は慎重に行うべきであり、モデルの目的や用途、データの性質に応じて柔軟に判断するのが最も賢明です。


さいごに

私のようにFXのような時系列予測にCatBoostを使っている方は、ぜひCVなしの評価にも一度挑戦してみてください。
意外と「これでも十分じゃないか?」と感じるはずです。

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