機械学習でモデルを作っていると、
こんな疑問を持ったことはありませんか?
- イテレーション数は多い方がいいの?
- 途中で止める「早期停止」は本当に必要?
- F1Macroが安定しないのはなぜ?
この記事では、
サンプル数・イテレーション数・F1Macroの関係から、
なぜ早期停止が「適切なイテレーション数」を決めるために重要なのか
を、初心者でもイメージできる言葉で解説します。
結論から言うと
はい、早期停止は必要です。
理由はシンプルで、
人間が「このイテレーション数が最適」と
事前に正確に決めることは、ほぼ不可能だからです。
早期停止は
モデル自身に「もうこれ以上学習しない方がいいよ」と判断させる仕組み
だと考えると分かりやすいです。

まず整理:3つの要素の関係
サンプル数
- 学習データの量
- FXなら「ローソク足の本数」「トレード事例数」
イテレーション数
- モデルが学習をくり返す回数
- 決定木系では「木の本数」に近い
F1Macro
- クラスを平等に評価する指標
- どれか1クラスが弱いと全体が下がる
なぜ「適切なイテレーション数」が難しいのか
理想と現実のズレ
理想はこうです👇
ちょうど良い回数だけ学習
→ 過学習しない
→ F1Macroが安定
でも現実はこうなりがちです👇
サンプル数が少ない
→ どこまで学習していいか分からない
→ 学習しすぎ or 足りない
つまり、
- サンプル数によって
- 最適なイテレーション数は変わる
という問題があります。

イテレーション数を固定すると起きること
ケース①:少なすぎる場合
- モデルがルールを学び切れていない
- PrecisionもRecallも中途半端
👉 F1Macroが伸びない
👉 「弱いモデル」になる
ケース②:多すぎる場合(よくある)
- データの細かいクセまで覚える
- 特定クラスだけ過剰に適合
👉 テストで外れる
👉 F1Macroが急落
ここで登場する「早期停止」
早期停止とは?
- 学習途中で「検証データの成績」を監視
- 成績が良くならなくなったら止める
つまり、
F1Macro(または評価指標)が
一番良かったイテレーションで止まる
仕組みです。
早期停止がやってくれること
人間の代わりにこれをやってくれる👇
- 今は学習した方がいい?
- もう覚えすぎてない?
- これ以上やると逆効果じゃない?
これを
自動で・客観的に判断してくれます。
F1Macroと早期停止の相性が良い理由
F1Macroは、
- 少数クラス
- 難しいクラス
にとても厳しい指標です。
学習しすぎると👇
- あるクラスだけ過剰適合
- 別のクラスのRecallが崩れる
👉 Macro平均が一気に下がる
早期停止は、
「どれか1クラスが壊れ始めた瞬間」
で止まる可能性が高く、
F1Macroを守る役割を果たします。
FX × 機械学習で特に重要な理由
FXデータは、
- 相場が変わる
- クラス分布が偏る
- ノイズが多い
つまり、
昨日の最適イテレーション数が
今日も最適とは限らない
だからこそ、
- 固定イテレーション
ではなく - 早期停止で都度最適化
が現実的になります。
よくある誤解
❌「早期停止すると学習が浅くなる」
→ 浅くなるのではなく
「それ以上学習すると壊れる前で止まる」
❌「最大イテレーションまで回した方が情報が多い」
→ 過学習した情報は
メタモデルに渡すとノイズになる
まとめ
- サンプル数・イテレーション数・F1Macroは強く関係している
- 最適なイテレーション数は事前に決められない
- 早期停止は
「最適なイテレーション数を自動で選ぶ仕組み」 - 特にF1Macro重視のFXモデルでは必須

目的変数(閾値やホライゾン)の設定次第でサンプル数が異なるということはイテレーションはそれぞれで決定するべきなんだ(‘ω’)
最後に一言(重要)
早期停止は「保険」ではなく
「設計の一部」
これを入れないと、
イテレーション数の調整は
勘と運に頼ることになります。
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